依頼~失踪事件~

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海夢が探偵事務所を出ていった後、窓越しから歩いて帰る海夢の後ろ姿をジッと見下ろしながら、私は少しやるせない気持ちだった。 彼女は帰る間際、無邪気な笑顔で『一日でも早く、お兄ちゃんを見つけてね』と言っていた。 しかし、私はあの時、「必ず見つけるよ」とは答えられなかった。 それも、そうだろう。 いくら私でも希望に満ちた顔をした彼女に向かって、『お兄さんはもう死んでいるかもしれない』なんて、いう推測は口が裂けても言えるセリフではなかったのだから。image=220737296.jpg
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