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「病気が思ったより進行してた。…学校は諦めて療養しなさいって、最初は言われた。でも次に検査したときはもう長くないって。でも、君にそう伝えたら君が来る理由が消えてしまう。それだけはいや、だから…。」
涙で震えた声、雨音に負けそうなほど弱くか細い。
「そんなことない!だってさ、俺もお前が好きだ。知ってるだろう?」
そう伝える。
愛していた、ずっと前から。誰よりも。
「でもっ、君は一度だって私に好きだとは言ってくれなかった!私が何度好きと伝えても、君は…。」
彼女の一言にはっとなった。
俺は彼女に一度も好きだとは伝えていない…、言わなくても伝わっていると…思っていた。
でもそれは違った。彼女が印した言葉に俺は一度も返事をしていない。
「ごめんな、寂しい思いをさせて。でも、俺もお前が大好きだよ。誰よりもずっと。」
そう言って強く彼女を抱き締めた。
唇を重ねた。
二人の涙が溶け合って地面に消える。
「嬉しいよ、これで思い残すことはない。ありがとう。」
彼女の顔が綻ぶ。
しかしこう彼女は続けた
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