嘘つきは社長の始まり?!

5/9
前へ
/24ページ
次へ
「そっか。あきと君可愛い顔してるから、つい…って、自分で言って悲しくない?」 「う。」 「こぉら!美香、アッキーをいじめるな~。アッキーは、俺の大事な人なんだぞ。」 「やっぱ、そうゆう仲なんだ。」 「違う!」 「照れるなよ。」 「ハル、黙れ!」  懐かしい再会に、皆の会話も弾む。 ビールを三杯ほど空けた僕は、流石に酔ってきた。元々酒が強くないので、すでに足元がふらつく。 「う、ちょっと外の空気吸ってくる。」 「どうしたの?」 「アッキー、酒弱いんだよ。」 「そうなの?」 「うん。冷ましてくるよ。」 階段を降り外へ。気温も下がり、秋風が肌をさす。華やかなネオンの代わりに輝く、夜空の星星。僕は空を見上げながら、息をはいた。そういえば、中学の頃夏休みの課題とかで、惑星や星座についてのレポートを提出した事があったな。 ふと、昔を思い出す。 あの時の僕は、今の自分を見たらなんと言うだろう。 『やっぱりそうか。』 と言って笑うだろうか。 カツカツカツ。 ふと、足音の方に目を向けた。長い髪をアップにまとめ、質の良いスーツを着込んだ女性…。
/24ページ

最初のコメントを投稿しよう!

43人が本棚に入れています
本棚に追加