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「あの、ひょっとして…柊君?」
「え?えっと、君は…──。」
「おーい、アッキー。早く戻ってこいって…あれ?」「あ、ハル。彼女クラスメートの…──。」
「分かった!姫だ!!なんだ、皆もう盛り上がってるから、お早くどうぞ!」
手招きする春樹。席にもどると、彼はパンパンと手を叩き皆の注目を集める。
「はい、注目!我らの姫が登場だぜ。変わらぬ美貌に拍手ー!」
「あー、姫川さん?!」
「帰ってきたんだ?!なんか、昔と印象変わったね。」
「あの、えっと…久しぶり。」
そうか、彼女だったのか。僕は納得した。姫川 恭子。彼女は、まさに僕たち男子にとって憧れの姫だった。いわゆるお嬢様で、スタイルも頭も人並み外れて良かった彼女は、男子の間じゃ彼女にしたい女の子ナンバーワンだった。
当時の僕も当然彼女に憧れていた訳で、今でも変わらない美人の彼女を前にして、僕は緊張で上手く話せずにいた。
「姫は、今どうしてるの?やっぱり、お父さんの会社手伝ってるの?」
「ええ。」
「おっきい会社だもんねー。中3の時引っ越して、ずっとあっちだっけ。こんな田舎じゃ、何も無くてツマラナイでしょ?」
「そんなことないわ。」
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