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それから苺の数学嫌いが治る訳もなく着々とテストは近づいてきた。
「ええと…ここのxとyがこうだから…あれ…?答えと違うしっ!!何で!?」
来週からテストが始まるという金曜日の放課後、苺は一人教室に残り数学のテスト勉強をしていた。
流石に自分でもこの数学の悲惨さはやばいと感じたのだ。
しかし苺は数学嫌いと言うより数学に嫌われているようだ。
いくら正しい解き方をしても計算間違いが酷すぎて結局間違った答えが出てしまうのだ。
数字ばっかり見てたから、頭がパンクしそう…。
苺は大きなため息をつくと文字と数字の羅列を眺めた。
「…コレ、なんの呪文?」
「数学の問題です」
「わっ!藤井…先生…!」
数学の問題に四苦八苦する苺の上から声がしたものだから、苺は相当驚いた。
しかもその相手が苦手な数学教師、藤井だったのだから尚更だ。
藤井は苺の驚きように気を悪くしたのか、目を細めて苺を見据えた。
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