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「里歩…用があると思うけど、後にして。私、ピアノ弾いてるから。」
「……分かった。楓、ロビーで待ってるわね。」
そう言って里歩は出ていった。
…………シューベルト…
「シューベルト、あな――…」
「楓、さっき弾いてた曲、まだ未完成で、僕誰にも教えてませんよ?」
「――…あァ、あなたが作ったピアノソナタね……」
まだシューベルトだって信じてないけど……
「楓、弾いてみて…」
「………分かったわ。」
私は、椅子に座り、鍵盤に手をおいた。
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