北の間

4/5
22人が本棚に入れています
本棚に追加
/13ページ
しかも 不自然に白い。 顔も、服も、手も。 異様に長い髪だけが真っ黒です。 その「白い女」は、何もできず固まっている私の右後ろまでくると、す…と正座をしました。 母じゃないなら―――誰? 恐る恐る足元を振り返ると、たしかに「白い女」は居ます。 きちんと正座をして。 ゆっくり視線をあげると…… すごい形相でこちらを睨みつけています。 顎をあげて、 下目使いで。 ―――――ひぃっ! 声にならない悲鳴をあげると、私は咄嗟に顔を前にもどしました。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!