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「何~?探し物~?」
「・・・・・・・・・」
壁越しに問い掛けましたが、何も返事無し。
(あれぇ?きこえないのかなぁ?)
そんなはずないんです。
だって妹がいるときは、この方法でいつも会話してるんですから。
「ちょっとぉ…」
言いかけると、足音は妹の部屋を出て、廊下をこちら側にあるいてきます。
ギッ ギッ ギッ ギッ
ちょうど私の部屋の前で足音がやみました。
(なんだ…やっぱり聞こえてたんじゃん)
と話しかけるために軽く振り向いたところ、いつもしっかり閉める筈の引き戸が5センチくらい開いていました。
そこに見えたのは、白い服。
和服のような、ロングドレスのような、足首まである着物。
…母親はそんなネグリジェもってません。
気付いた瞬間、それ以上顔があげられませんでした。
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