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「あれ?大介どうしたの?真面目に聞いてんじゃん?」
物思いにふけっていた俺に香菜子が小声でささやく。「香菜子どっちを信じる?性善説か性悪説。」
「うーん…性善説かな?何か悪いことしようとしてもこの人困るんじゃないかと思ってできないし、例えば目の前で交通事故があって大怪我な人いたらとっさにその人助けようとするでしょ?」
確かに俺だってそうだ…さすがに目の前に死にそうな人がいれば助ける。
「人間て元々は綺麗で純粋なんじゃないかな?でも住んでる環境や嫌なこと、ストレスでどんどん汚染されていく。煙草を吸うと肺が汚れていくのと同じで。嫌なことを感じないで幸せだって思えば元通り純粋になっていくんだと思うよ?」
香菜子は真顔で俺に問い掛けた。さっき俺が考えていたことを見透かし、否定するようだった。
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