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そして、この曲はメインが雅でサブは俺という設定。
雅の透き通る様な声をイメージして、それに乗っかる様な演奏を心掛けた。
あまり激しい曲ではなく、応援ソングみたいな曲だ。
で、一通り合わせ終わった俺たちはひとまず反省会をすることにした。
章悟「ミスはなかったみたいだけど、大丈夫だった?」
奏「久々だからちょっと鈍ってる感じがするくらいだ。」
雅「ま、そこはノリでカバーしよ?」
章悟「んじゃ次はボーカル有りで、雅、奏よろしく。」
雅「まかせなさい。」
奏「了解。」
また演奏にのめり込み、雅の透き通る様な声に乗っかりスムーズに演奏出来ている。さらにサブボーカルである俺の声も加わり、音の厚みが増した。
俺たちは上手い。これは自画自賛でも自惚れでもなく3人が真に思っている。まぁ3人だけじゃなくて藤後の親父さんにも言われたが。
一人一人の技術は並みより少し上位だ。
じゃあ、何故上手いと言えるのか?
それはたぶん俺たち各々の演奏スキルによって成り立っているのだと思う。
俺は、どんなリズムも大概完璧にこなせるが故に、ベースでも回りを巻き込んで乗らせる事も出来る。ミスは極めて少ない、いや無いと言っても良い。まあたまにはミスるよ?
雅は、演奏が女の子にあるにも関わらず力強い。アルペッジョや何やら音がハッキリしているし、ソロになると遺憾なく演奏できる。
そして、何よりメインボーカルを勤めるだけに声量があり、音域が広い。声の表現も豊かだ。
章悟は、叩く音の全てに感情が現われてオーディエンスをその気にさせれる。怒りや悲しみ、恋い焦がれる淡い感情など曲によって使い分けれる。
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