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………………。は?
付いて来て欲しい? 何を言ってんだこの馬鹿野郎は?
デートに俺が付いて来ちゃその時点でデートじゃねぇだろ。それはただの交流としか言えないだろう。
奏「……そうか。 だが、断る!」
そう言って藤後の横をすり抜けて教室を目指して歩きだした。
藤後「ヨッシャーッ、っておいっ!!来てくれねぇのかよ?!」
ベタなノリツッコミで切替えしてきながら俺の袖を捕まえる藤後。俺、ベタは嫌いだな。うん。
奏「当たり前だ。俺が付いて来ちゃデートにならねぇだろ?邪魔しちゃ悪いからな。それに赤の他人の俺が付いて行く理由が見当たらない。」
藤後「ところがどっこい、瞳ちゃんの友達も来る事になったんだけど、その子が奏も誘って、って言ってな。」
……とんだ迷惑だな。
奏「何で俺なんだよ。」
藤後「……知るか。そいつに聞け。つか分かれよ。」
まぁしかし、俺が行かなきゃ不味くなるだろうな。
実を言うと、藤後はシャイなのだ。
それも好きな人限定で。
バスケ部のエースで、顔もかなり良いコイツは馬鹿だけど人気がある。そんなコイツがシャイと知ってるのは極一部の人だけだ。
俺はこいつから恋の相談らしきものを聞いた時に教えてもらった。そしてその話を聞いた俺が、腹が捩れるほど笑ったのはまだ記憶に新しい。
まあそれは良いとしてそんな近代稀に見るほどのシャイボーイこと藤後が好きな娘と二人きりになったとなれば、結果など目に見えているようなものだ。
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