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奏「……ったく。しょうがない。行ってやるよ。」 藤後「ホントかっ?!ありがとう奏ーっ!」 藤後は余程嬉しかったのか、飛び付いて来た。しかし……。 男のハグほどムサい物はない訳で、反復横飛びの要領で飛び退く。 奏「……ついにお前そっちの道に目覚めたのか?」 藤後「ちがわいっ!しかもついにって何だよ!」 奏「……で、いつなんだそれ。」 一番重要な事を聞いてなかったな。まぁよくあるミスだな、うん。 藤後「聞いて驚くな!今度の日曜日だっ!」 奏「その日無理かも。」 ライブあるもんな~。章悟がいきなり持って来たけど演る事になったし。 藤後「ええっ!?ちょ、そこを何とかッ!」 聞いて驚いたのは藤後の方だった。 奏「はぁ、……ちょっと待て。ダチに連絡取るから。」 そう言って携帯を取り出す。 そして、携帯の電話帳にある章悟の番号を確認し電話をかける。 ――ぷるるるっ、ガチャ 章悟『もしもーし。奏、どうした?』 奏「日曜日のライブ。何時から出番なんだ?」 章悟『えっと……確か夜の8時から11時だぞ?何かあったのか?』 奏「そうか……。何でもない。ありがとな。」 章悟『おう。あ、土曜日は朝から俺ん家で会わせるからな。』 奏「了解。じゃ。」 ――ピッ 俺は、携帯を閉じて藤後を見た。
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