311人が本棚に入れています
本棚に追加
俺がやっさんと言った教師は、安原という俺のクラスの担任で、『適当が売り』の俺にとって有り難い教師だ。
正直な所、本当に教師かどうかを疑いたくなるほど、適当なんだよ。授業は一応進んでるんだがな。
藤後「お前、やっさんだからって寝過ぎるなよ?」
奏「善処する―…筈だ。」
藤後「いや、そこはしろよ。」
藤後は苦笑いで返事をした。
するとチャイムが鳴り響いて、回りの生徒も着席しだした。
藤後「お、んじゃまたな。」
早く着席したって、やっさんだから5分くらいは遅刻して来るはずだから無駄だろうけど。
そう思いながら、俺は再び机に突っ伏した。
……そこから、時は流れに流れ、放課後になる。
藤後「結局、あの後の授業も全部、寝て過ごしたな。」
奏「どうやら善処出来なかったみたいだな。いや実に残念だよ。」
藤後「白々しい言い方だな、お前……最後なんかまるで棒読みじゃん。ったく……。」
そして藤後はため息を吐いて。何かを言いたそうな顔をしてこっちをジト目で睨む。
何を言いたいのかはわかる。毎日毎日寝てる俺がどうして頭が良いのかを聞きたいんだろうな。俺は毎回のテストで、上位成績者の中にいるんだよ。
藤後「なんでおま――」
奏「俺にもわからん。」
藤後が言う前に遮る。
藤後「・・・先読みするなよな。」
奏「悪いな。藤後が単純だから、ついな。」
藤後「てめっ、俺が単純だと?!」
藤後は、笑いながら突っ掛かってくる。
最初のコメントを投稿しよう!