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これもいつもの事で、藤後をいじる事は俺の趣味にもなっている。
――……性格が悪いって?悪いが生まれつきなんだ。
藤後「じゃ、俺は部活あるから行くな?」
奏「ああ、頑張ってやられてこい。」
藤後「やられって……ま、いいや。じゃあな。」
奏「ああ、また明日な。」
藤後はバスケ部に所属している。聞くところ、実力は中々のもので、バスケ部内では一年にして先輩達を差し置いてレギュラーである。
帰宅部の俺でも凄いとわかる程、凄い。
顔も良い事から、一年にして大変有名な奴なんだ。しかし頭は悪い。
奏「よし、帰るか。」
俺は、バックに使う事の無かった教科書と筆箱を入れて、下駄箱に向かった。
何の為に学校に来ているのかと問われると正直困るな、と最近思うようになってきたのだが、『約束』を真っ当しているだけの話。
約一年も前から、行使されている『俺たち』の約束だ。
それを言って根掘り葉掘り探られると俺が困る、という話だ。
さて、つまらない独り言を言うより早く帰る方が有意義だな。
そうして俺は帰路へと足を運んだ。
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