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待ち続けて70回目の夜が来ました。
大雨のこの晩も黒狐さんは優しく寂しい夢を見ていました。
黒狐さんが夢に浸っていると外に物凄い雷が落ち、黒狐さんは驚いて目を覚ましてしまいました。
外の様子を確かめようと起き上がると、なんと玄関が開いたのです。
黒狐さんはとうとう宝物が手に入るのかと思い大喜びしましたが、ドアの向こうにいたのは見たことのない黒猫が立っていました。
黒猫は言いました。
「べ、別に来たくてこんな所に来たんじゃありませんでしてよ!
で、でもどうしても泊まっていけと言うなら泊まっていって差し上げてもよろしくてよ!」
黒狐さんは高飛車な黒猫にウンザリしながらも、雨でびしょ濡れの高飛車性悪猫を一晩泊めてやることにしました。
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