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冷蔵庫から鳴る低い音が 潜水艦の中の音に似ているな と、彼は思った。 潜水艦に乗った事などないのに、だ。 イメージなんてそんなものさ と、彼は呟いた。 実際の所、世の中の全てはイメージで出来ている しかし、オリジナルを知っている人はごく一部に過ぎない そんなものさ と、彼は続けた。 しかも、 まったくの無から、何かをイメージする事は 我々には出来ない そして、 まったくの無を、イメージする事も また出来ないのさ 彼は、静かに目を閉じた。 つまらないかい? けれど、 君自身も、誰かのイメージなんだ だから、 君も、イメージしなければならない 世界を そして、君自身を。 それが、存在するという事なんだ つまり、 とても曖昧で、不確か 全ては、あやふやなのさ 彼は、消えていた。 イメージの外へ。
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