いつも隣に

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―――千香の人差し指。 それが私の唇に押し当てられている。 いわゆる"内緒のポーズ"ってやつなのかな? いつのまにか教室には私たち2人だけしか残っていない。 「梨久ちゃん知ってる?」 その体勢を崩さないまま千香は静かに話し出した。 「指ってね、ほんとにチューしてる感覚と似てるらしいよ」 ……ということは…。 「梨久ちゃん私とチューしてるね」 えへへ~と目尻を下げふんわりと笑っている。 顔が熱い。 どうにかなりそうだ。 「なに言って…!」 恥ずかしすぎて耐えられなかった。 思わず千香の人差し指を握って唇から離してしまった。 いや、ホントは嬉しいんだけど。 「ホントにチューしようか?」 今度は真面目な顔をして聞いてくる。 はい、と答えたいところだけど千香が何故こんなことを言ってくるのかがわからない。 「千香!」 少し強めに呼びかけると千香の肩がビクッと動いた。 「千香、さっきからどうしたの?いつもの千香じゃない。私に何かあるから遠慮なく言ってよ。今日の千香…わかんないよ。」
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