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「梨久ちゃんー?」
気付いたら私は千香の頬に指を刺したままボーっとしてたようで、痺れを切らした千香が不思議そうに訪ねてきた。
「すっごいボーっとしてたよね!いま!」
「え、あー…うん?まぁ…」
千香のこと可愛いと思ってたなんて言えるわけもなくて、適当に言葉を濁した。
「いま何かごまかしたでしょ!」
外した視線を戻すように千香は私の顔を両手で挟み強引に振り向かせた。
振り向いた私と千香の顔が近い…。
「梨久ちゃんのウソはすぐわかるんだよ?」
真剣な表情で、でも囁くように千香は言った。
千香の大きな瞳に見つめられ私は動かなくなってしまった。
千香に見つめられると、なんでも見透かされるような気がする。
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