…猿夢

2/6
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ
私、夢を見ていました。 昔から私は 夢を見ている時に、たまに自分は今夢を見ているんだと自覚することがありました。この時もそうです。 何故か私は薄暗い無人駅に一人でいました。 ずいぶん陰気臭い夢だなぁと思いました。 すると急に駅に精気の無い男の人の声でアナウンスが流れました。 それは「まもなく、電車が来ます。その電車に乗るとあなたは恐い目に遭いますよ~」と意味不明なものでした。 まもなく駅に電車が入ってきました。 それは電車と言うより、よく遊園地などにある、お猿さん電車のようなもので数人の顔色の悪い男女が一列に座っていました。 私はどうも変な夢だなと思いつつも、自分の夢がどれだけ自分自身に恐怖心を与えられるか試したくなり、その電車に乗る事に決めました。 本当に恐くて堪えられなければ、目を覚ませばいいと思ったからです。 私は自分が夢を見ていると自覚している時に限って、自由に夢から覚める事ができました。 私は電車の後ろから3番目の席に座りました。 あたりには生暖かい空気が流れていて本当に夢かと疑うぐらいリアルな臨場感がありました。「出発します~」とアナウンスが流れ、電車は動き始めました。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!