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産声とともに安堵の表情が伺える。
待ちに待った息子の誕生だ。
実に長時間の出産劇。
初産は時間がかかると言われるが、
先輩からのアドバイスは的を得ていた。
妻は嬉しそうに、また誇らしげに息子を抱いていた。
それを見ていた泣き上戸の私も、涙を見せまいと妻に微笑みかけていた。
これからは家族3人、裕福な家庭ではないにしろ、ささやかな夢と希望と幸せが待っている。
ただそう信じていた。
時計の針は午前2時を過ぎたあたりだった。
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