637人が本棚に入れています
本棚に追加
/152ページ
携帯が地響きとともに震える
仕事の都合上、音は鳴らさないように設定されていた。
時刻はまだ朝の6時を過ぎたあたり。
職場からの電話にしては早すぎる。
誰からだろうと思いつつ、携帯電話をおもむろに広げると着信の欄には妻の名前が。
早いモーニングコールだなと思いつつ、通話ボタンを押した。
「病院に今すぐ来て」
言葉を文面にすると、いささか切迫感が伝わらないかもしれないが、言葉は言葉ともとれないくらいに強張っていた。
「どうしたの」
「こ…子供の容態が…」
「わ、わかった。今すぐ行くから」
通話時間もそこそこに、電話を切り、急いで車へと足を向けた。
容態?
産まれた時は元気に泣いていたのに、どうしたのだろうか?
色々と想像する間に病院へと到着した。
最初のコメントを投稿しよう!