悲痛

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携帯が地響きとともに震える 仕事の都合上、音は鳴らさないように設定されていた。 時刻はまだ朝の6時を過ぎたあたり。 職場からの電話にしては早すぎる。 誰からだろうと思いつつ、携帯電話をおもむろに広げると着信の欄には妻の名前が。 早いモーニングコールだなと思いつつ、通話ボタンを押した。 「病院に今すぐ来て」 言葉を文面にすると、いささか切迫感が伝わらないかもしれないが、言葉は言葉ともとれないくらいに強張っていた。 「どうしたの」 「こ…子供の容態が…」 「わ、わかった。今すぐ行くから」 通話時間もそこそこに、電話を切り、急いで車へと足を向けた。 容態? 産まれた時は元気に泣いていたのに、どうしたのだろうか? 色々と想像する間に病院へと到着した。
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