悲痛

5/5
前へ
/152ページ
次へ
出産をした病院の先生から産まれた後の経緯を全て聞いた。 チアノーゼが起こってからの処置が早かったらしく、大事には至らなかった。 後々に考えたのだが、24時間監視している病院だったからよかったものの、管理が行き届かない病院であったならば。 息子は無酸素状態で放置され命に関わっていたのかもしれない。 異変に気付いた看護士が血糖値を計測したところ、常人であれば「60」以上あるところが、息子は 「3」 だったという。 なぜ どうして 頭には疑問符しか浮かばない。 会社へは連絡を入れ1日休みをもらい、息子が転院する病院へついていくことにした。 救急車へ搬送される息子を見送り、自身も自分の車へ。 動揺の中、運転できるかどうかも心配だった。 しかし一番心細く不安で張り裂けそうだったのは、間違いなく妻だっただろう。 痛々し過ぎて言葉にならない。 午前8時過ぎだった。
/152ページ

最初のコメントを投稿しよう!

637人が本棚に入れています
本棚に追加