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酸素を求める魚みたいに、ぱくぱくと口だけが動く。
何かを言いたいのに、頭の中は軽くパニックになってしまって言葉が出てこない。
そんな私をおかしそうに見ながら、葉くんは私の頬からミルクティへとするりと手を移動させた。
「俺、ミルクティ大好物。ありがとう」
「どっ、どういたしましてっ」
うあ…どもった…もうだめだ…。
そんな私を見て、また葉くんがくすくすと笑う。
6つも年下の子に、なんだか翻弄されてる気がするのですが…(涙)
「ほな、いただきます」
きゅっと蓋を開けて彼が美味しそうにミルクティを飲む。
私も慌ててもう一本のミルクティを飲んだ。
「はー。美味しい。実は緊張してめっちゃ喉乾いとったんです」
「えっ!?」
葉くんの言葉に耳を疑う。
緊張?!
ぜんぜんそんな風に見えないんですけれども。
「そうは見えへんって顔してますね?」
なにこの子、エスパーか何かですか。
「な、なんでわかったの?」
「月子センセ、顔に出すぎ」
即答、そしてまた笑われる私。
もう、なんだか慣れてきたよ…トホホ。
「あ、そうだ!おなかすいてない?」
話を切り替えるべくそう言うと、また葉くんが噴出した。
エー。
また私、何かしでかしましたか?
「月子センセ…唐突過ぎ。腹いたい…」
誰か私に大人な会話方法を教えて下さい本当に恥ずかしいです。
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