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帰りの車の中。
川崎先生は静かに運転をするだけだった。
どうしよう。
頭の中では色々な考えが巡るのだけれど、言葉にすることが出来ない。
では何か別の話を…そうも思うのだけれど、うまくまとまらない。
沈黙の時間が苦しくて、ぎゅっと手を握った時、
「ごめんなさい…さっきの事、忘れて下さい」
前を向いたまま、ぽつりと川崎先生が呟いた。
わかりました、なんて言える訳が無い。
覚悟を決めて、声を出した。
「あの…私、鈍感で…ずっと気付いてなくて…」
一度話しを止めて、こくりと唾を飲む。
喉が渇いて、声がうまく出せない。
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