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カチカチという、ハザードランプの音が静かな車内に響く。
「さっき言ったことは、忘れて下さい」
こちらを向いて、そう言う川崎先生。
ひどく悲しそうな笑顔。
ずきん、と胸が痛んだ。
川崎先生の事は、決して嫌いじゃない。
いつも優しくて、頼もしくて、働き出してからずっと支えられていた。
けれど…。
何かを言おうと考えるのだけれど、その"何か"が思いつかない。
むしろ、何を言っても彼を傷つける事にしかならないのではないか。
そう思うと、思考回路が混乱して一向に考えがまとまってくれない。
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