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昨日来たあのメール。
間違いない!
まさかまたあて先をミスした?
いや、そんなはずはない。
オロオロとしつつ画面を見つめてゆっくりと文章を作る。
【こんばんは。どうしましたか?まさかまた間違い、とかじゃないですよね(汗】
3回読み返してエイっと送信する。
程なくして返事が返ってきた。
【今日はちゃいます(笑)昨日はほんますいませんでした!あの、実はフラれてもうて…】
フラれた?
あ。そうか!
昨日あれから、本当の相手に告白したってことだよね?
でもフラれちゃった、と。
…いやいやいや。
【そうだったんですか…。あの、でもなんで私にメールを?】
思ったままを文章にエイヤと送信。
だってここは疑問じゃないですか…?
すぐに返信。
【ほんまにそうですよね。自分でもわけわからへんのですけど…
多分ヘコみ過ぎで頭おかしなっとるんやと思います。なんや、こんな遅うにゴメンナサイ…】
あぁ、その気持ちはわかる、かも。
一世一代の勇気を振り絞って告白したものの玉砕、なんてことになったら、私だってショックでパニックになってしまうかもしれない。
誰かに話して吐き出してしまいたい。
けれど友達になんて話せない。
親や兄弟にだって、もちろん無理だろう。
それでも苦しくって
そんな時、きっと彼は昨日の間違いメールを思い出したんだろう。
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