ありがとう

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しかしそこでふと思う。 …傷つける? そう思うこと事態が、私の気持ちの結果じゃないか。 つまりは… そう、つまりは、彼の想いに私は応えることが出来ないんだ…。 「さぁ、帰りましょうか!ゆっくりしてたら朝になっちゃいますよ」 パッと気持ちを切り替えるかのように、川崎先生は明るくそう言う。 彼の気遣いが、とても苦しい。 ごめんなさい? ありがとう? わかりました? どの言葉も、しっくりこない。 偽善じみていて、口に出すのが躊躇われる。
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