一日の終わりとメール

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顔も名前も知らない相手なのに、なんだか放っておけない気持ちになって私は急ぎメールを作る。 【そうだったんですか…私だったら話相手になりますし!愚痴っちゃってOKですよ】 これが「世話好き=おせっかい」と言われる所以なんだろうな。 でも、ああそうですかなんて言えないよ。 返事は直ぐに来た。 【ありがとうございます。思ったよりもヘコんでるみたいで…話し相手になって貰えると 気がラクになります。】 何て返事をしたらいいのだろう。 失恋の話を聞くのは酷だろうし、もっと気楽にできる話のほうがいいだろうな。 あ、そうだ。 【気にしないでくださいな。そうだ、せっかくだから自己紹介しませんか?私は狭山って言います。 うーんと、塾で先生やってます。】 我ながら話を盛り上げるのがヘタクソだなぁと苦笑しつつもポチっと送信。 だって良く考えたら、私相手の名前も、仕事も、なんにも知らない。 もちろん向こうだってそうだろうし。 そんな事を考えていたら、すぐに返事が返ってきた。
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