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「あ、あの、狭山と申します」
ぺこりと会釈をし、挨拶をする。
誰だろう?
「狭山さん?葉のお友達ですか?」
女性は椅子から立ち上がり、こちらに向き直った。
そう聞かれて少し困ってしまう。
友達、と言えば友達なのだろうか。
「あの、昨日…その、葉くんを…」
とりあえず昨日の事を話せば伝わるだろうか。
そう思い話し出すと、すぐに女性はああ、と声を出した。
「昨日、救急車を呼んでくださった方ですね?」
伝わったとほっとして、そうです、と答える。
「あなたが。そうでしたか…」
話しながら、女性はゆっくりとこちらに向かって歩いてきた。
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