幸福

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幸福

7月14日(木) 今日は創立記念日で休日だ。 小夜とデートだ。 いろいろ迷った挙げ句、遊園地で過ごす事にした。 割と大きい遊園地でいろいろなアトラクションがあり、一日中遊べそうだからだ。 遊園地内。 小夜は僕の手を引き『ねぇ、まずはジェットコースターに乗ろ!』 と引っ張っていく。 特に反論はなかったが…僕は記憶が無いため、平気かどうか判断がつかず、ドキドキしていた。 どうやら平気なようだ。 結構楽しめた。 その後いろいろ周り、少し疲れたのでベンチで休んでいた。 小夜は僕の顔を覗き込み 『大丈夫?次は観覧車に乗らない?座ってゆっくり出来るし』 と観覧車を指差す。 僕はもう少し休みたがったけど 『うん、行こうか』 あそこでも休めるし、まぁいいか。 観覧車が頂上に来る頃… 周りの景色がキレイで眺める。 小夜が不意に『私…今とても幸福な気分…一生忘れない』 と少し悲しそうな笑顔で話した。 僕は彼女のその表情を晴らすために 『大げさだよ。今以上の幸せだってきっとある、これからだよ』 と彼女の頬に手を触れる。 彼女はそれに応えるように目を閉じる。 僕も目を閉じ、二人の唇を重ねる。 夕方。 僕達は駅前で別れる。 お互い笑顔で。 こんな日々が続けばいいな、と僕は思った。
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