予兆

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7月10日(月) 朝。 午前9時に駅前に到着する。 まだ小夜の姿はみえない。 まぁ待ち合わせは9時30分だから仕方ない。 こういう時は早めに待っているほうが性にあっているようだ。 しばらくして小夜がやって来た。 『ごめんなさい、待たせちゃったね』 『いいんだ、僕が早く来ただけだから。じゃあ行こうか』 二人は歩き出す。 最初は映画だ。 恋愛モノで今人気があるらしい。(本で調べた) 個人的には趣味ではないけど女の子は恋愛モノって好きそうだからね。 物語は主人公の少年と幼なじみの女の子と現在付き合っている彼女との三角関係を描いたモノだ。 正直興味が無かったので適当に見ていた。 映画が始まりしばらくして、隣りの席に座っている小夜の手に僕の手を重ねる。 一瞬ビクッとしたが、手を握ってきた。 こういうのっていいよね…少しあたたかい気持ちになる。 物語は告白の場面。幼なじみの女の子が決心して少年に手紙を出し告白する。 ズキリ。頭が一瞬痛くなる。 なんだ?デジャヴか…どこかで見た事あるような気がした。 が、思い出せない。 映画が終わり、昼食をとる。 映画の内容について小夜がいろいろ話し掛けてきたが、うろ覚えだったので合わせるのに苦労した。 食事を終えて、次はボーリング場へと向かう。 僕は受け付けを済ませると指定されたレーンへと向かう。 1G目が終了、僕のスコアは148で小夜は102。 まぁこんなモノだろう。 その後ボーリング場を後にして駅前へと戻ってきた。 小夜は用事があるとかで今日はここで別れる事になっている。 『じゃあ、また明日』 と手を振る。 『うん、また明日』 と小夜は手を振り返す。 夜。 部屋のベッドの中。 『うん、悪くないな』 呟く。 小夜とメールのやり取りをしてから眠りにつく。
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