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7月17日(日)
今日は小夜の希望により、ミュージカルを見る事になった。
面白いのだろうか?
待ち合わせ場所に小夜がやってきた。
白が基調の服で、はたから見ると清楚なお嬢様にも見える。
いつも見慣れている筈なのに…僕は思わず見とれていた。
『え?どこかおかしい?』
と小夜は気にして聞いてくる。
『いや、別に。ちょっと見とれてただけだよ』
少し照れくさかったが感想を述べた。
『え?…一樹君…』
小夜は顔を赤らめてうつむいた。
『え~っと、じゃあ行こうか』
と僕は照れくささをごまかして言った。
『うん‥』
彼女は僕の手を握り、二人で歩き出す。
席につき、開演を待つ。
席は前から2番目の真ん中あたりでしっかり舞台が見える場所だった。
小夜を見ると、少し興奮しているように見える…よっぽど見たかったんだな。
僕も少し楽しみになってきた。
ミュージカルが始まって30分程経った頃…僕は睡魔に襲われた。
マズイ、なんとか起きてないと…。
…あれ?寝てた?どうなってる?
気付くと寝ていたようだ。
舞台はもう終わっていた。
小夜は?振り向くと小夜が苦笑していた。
『ゴメン、いつの間にか寝てたみたいだね』
『いいの…一樹君の寝顔が見れたしね。それに私に合わせて見てくれたんだよね』
と笑顔。
帰り道。
『もうすぐ夏休みだよね。海、行こうね』
と小夜が話し掛けてきた。
『そうだね。海、楽しみだよ』
とこたえる。
海か…小夜の水着姿…うん楽しみかも。
そんな考えを見透かしたように
『一樹君…今、何か変な想像してなかった?』
と聞いてくる。
ドキッとしたが
『イヤ、そんな事ないよ。気のせいさ』
と平静を装って答えた。
もうすぐ夏休みか…本当に楽しみだ。
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