想い

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小夜は僕の言葉に 『違うの…本当は恵はあなたの事が好きだったの。 でも、私に対する罪悪感から別れる事にしたの。 だから恵のところへ戻ってあげて、まだ恵はあなたの事を想ってる。 そしてあなたも恵が好きだったんだし、それが一番でしょう?』 僕はそれを聞き、困惑する。 なんだって?清水恵は僕の事が好きだったって? 僕は小夜に 『そっか、アイツも素直じゃないなぁ。いろいろ考え過ぎ。 もっとシンプルでいいんだよ』 『そうね、だから恵のところへ行ってあげて』 小夜は微笑む。 僕は首を振って 『改めて言うよ、僕と付き合って欲しい。 君は確かに嘘をついた。 それは嫌悪すべき事だと思う。 でも、君と過ごした日々は嘘じゃない。 君の笑顔も。 怒った顔も。 泣いた顔も。 嘘じゃない。 確かに嘘から恋人になったけど過ごした日々は嘘じゃないんだ! 君の事が好きだ…この気持ちは本物だから。 他の何よりも大切だから…もう一度始めよう、好きです。 付き合って下さい。』 小夜の瞳から一筋の涙が。 『うん…うん…ありがとう。』 二人は抱き合う…… 夕暮れに染まりながら。 ーーーーーー完ーーーーーーー
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