始まり

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退屈な入院生活も小夜が見舞いに来るのが楽しみで大分気が紛れた。 気になったのだが、初日以来、親と小夜以外誰も見舞いに来ないことだ。 もしかして友達いないのかな?小夜に思い切って聞いてみる。 『僕は…もしかして学校とかで友達いないのかな?見舞いにも来ないし』 小夜は少し考えて 『えっと、私が知ってるかぎりでは同じクラスで、北原秀一(きたはらしゅういち)君と仲が良かったハズだけど。』 『ふ~ん、どんな感じのやつなの?』 と聞いてみる。 『少し不良っぽい感じで愛想がないの、学校も割と休みがちだし。でも運動神経もいいし、勉強もできるし顔も割とイケメンで女子からは人気あるのよ。』 『もちろん私は一樹君がいるからなんとも思わないけど』 小夜が慌てて付け加える。 北原秀一か…まだ見ぬ友達に不安を覚える。 『じゃあそろそろ帰るね』 小夜がドアへと向かう。 『うん、気を付けて』 小夜は手を振りながら出ていく。 ズキリ…ほんの一瞬だが不意に頭が痛くなった。 なんだろう?風邪かな?まぁ気にしない事にした。
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