予兆

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7月4日(火) 朝。 朝食をとり学校へと向かう。 道のりは昨日母に教えてもらっていたので問題はなかった。 無事学校に到着し、教室へと入る。 席は窓際の一番後ろから二番目。 小夜に聞いておいたのだ。 僕が教室に入り席につくと、僕の記憶喪失の事が珍しいのだろう、クラスメート達が集まっていろいろ聞かれて対応に苦労した。 授業が始まる。 後ろの席は空席だ。 この席が北原秀一の席という事だが今日は休みなのだろうか? 放課後。 ホームルームも終わり、帰り支度を終え教室を出て校門へと向かう。 ちなみに小夜は他の友達と帰っていった。 学校では付き合ってるのは内緒にしてほしいと言われたからだ。 まぁ僕も周りのやつらに冷やかされるのもイヤだしね。 校門を出て歩いていると後ろから 『一樹』 と声を掛けられた。 振り返ると僕と同じ制服の男子が立っていた。 一見してひょっとしてコイツが北原秀一か?と思った。 小夜から聞いてたのと一致する。 『えっと、北原秀一君?』 恐る恐る聞いてみる。 けげんな顔をしたが 『ああ、そういや記憶喪失だったっけ。俺の事は秀一て呼んでくれ、一樹。』 と肩をポンと叩く。 『分かったよ、秀一。』と返す。 秀一は手を叩き 『そういやお前には一万円貸しとったけど返してくれん?』 と手を差し出す。 『本当に?』 僕は聞き返す。 『う・そ』 笑顔を見せる。 『ベタだなー』 と僕も笑う。 北原秀一と話しながら帰る。 彼の家は僕の家から30分程歩いたところらしい。 秀一と途中で別れ家に帰った。 夜。 一日目が無事終わった。 疲労からか、いつの間にか眠りについていた。
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