15849人が本棚に入れています
本棚に追加
僕が近づくと魔女帽子の口元が見えた。
柔らかそうな唇……。
不純な考えを振り払うように頭を振って小さく息を吐く。
「お客様……お探しのものはありました?」
「あったんですがちょっと財布の方が……」
僕は眼鏡を取って頭を掻く。これは困った時にやってしまう僕の癖である。子供の頃から直らない。
「そう……」
魔女帽子は立ち上がって店の奥に消えていった。
「何なんだ……?」
僕が首を傾げていると魔女帽子がゲームソフトを持ってきた。
何の変哲もないゲーム。
だが、僕はそのゲームに魅入られていた。
最初のコメントを投稿しよう!