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頭がショートする前にルートを選ばなければ。
「遥斗君……」
「にわきゃう!?」
不意打ちは卑怯なり!!
い、いきなり耳を甘噛みはやめてほしいものだ。どんな男でもキツいだろ、反応してしまうだろ?
そこだけはわかってほしいと思います、はい。
「いきなりは……ダメだったかな?」
「許可を取ってもやめて下さい」
僕は雪那さんに苦笑いして画面に向き直った。
………ん?画面が何かリビングにいるみたいになってるぞ?
『今日、僕の父さんが再婚相手を連れてくるといきなり言われた。
母さんが死んで三年。再婚すると聞いた時は驚いた。
もう父さんは母さんを忘れたのだろうか』
「あ、遥斗に言い忘れてたがな」
「ん、何を?」
「新しい母さんに連れ子がいるんだ、お前の二つ上だからな」
『口を開けるしかない。もうちょっと早く言ってくれよ父さん。
いきなり上の兄姉が出来るなんて……』
「女の人な」
「じゃあ姉さんだね」
『まぁ受け入れるしかないだろう。
僕はパーカーのチャックを上げ下げしながら新しい家族を待つしかなかった。』
「えーと、これは義理の姉……だよな?」
多分雪那さんに耳を甘噛みされた時に慌てて押してしまったのだろう。
でも時間は戻らない。僕はこのまま続行する事にした。
「ノエル、飲み物頼める?」
「わかりました。少々お待ち下さい」
久しぶりにメイド感を出したノエルであった。
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