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「見てよ、バク蔵」
進もうと扉に目を向けた瞬間門には何かがぶら下げられていた。今さっきぶら下げられたばかりなのだろう。ゆっくり揺らいでいたソレはキャラメルの板でホワイトチョコレートで文字が書かれていた。
「welcom to my dream」
千姫がキャラメルに書いてあった英語をあっさり読むと門は軋んだ音をさせて開いた。
目の前には迷路のほんの一部分が見え、迷路は少しずつ高くなっていって山のようになっていた。
「じゃ、行ますか。」
千姫は一本を踏み出した。
その一歩からどんどん迷路を進む。
進んでも進んでも行き止まりはほぼなかったのがふと千姫の小さな頭に疑問に残った。
だがごくたまにある行き止まりにはなかなか役に立ちそうな地図やコンパスがあった。
「地図はありがたいわね」
道は少し間違ってはいたりはするがだいたい合っている。
まるで、小さい子供が遊びで書いたような地図だ。
クレオンやクーピーでぐりぐりと描き塗られている。
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