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「…だったら尚更急ぐ必要があるわね」
タイムリミットは夢見主が起きる時間まで。
面倒くさいと千姫は一人ごちた。
「じゃあ、とりあえず夢見主の元へ行きますか」
徐々に下へ下降していきどんな仕掛けか少女とバク蔵は壁を摺り抜ける。
分厚い壁を摺り抜けると夢見主の部屋らしい。
大変年頃の女の子の部屋だ。かわいらしい小物等がたくさん置いてある。
中には綺麗な学校の鞄や、仲良く肩を並べた友人の写真まであることから人間性の良さが伺える。
普段ならば悪夢を見ないような人種だ。
少し観察して千姫はコツンと額をあわせた。
「じゃ、入りますか。」
瞳を伏せ、意識を集中させれば煙か霧のような物が体を覆っていく。
温かい波に流される感覚。それが終われば少女とバクは夢の中。
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