第二章 真実

9/10
前へ
/19ページ
次へ
「台詞がくさいですよ」 「え?………そうかなぁ?じゃあ臭いついでに。何故‘星’なのかというと、相河君、君に輝いて……スターになって欲しいからだよ。願掛けかな」 陸斗はクスクス笑っていた。 「可笑しいかな?」 「そうじゃなくて、たぶん僕達かなり怪しいですよ」 陸斗の言葉に、周りを見ると確かに見られている気がした。はっとした。 「もしかして、男子高生を口説く中年おやじに思われてる?!」 陸斗はお腹を押さえて大笑いしながら頷いた。 待っていた電車がホームに入って来た。二人はベンチを立ち上がった。 先に立ち上がった陸斗が、振り返って笑顔で言った。 「ありがとうございます。よろしくお願いします」 深々と頭を下げた陸斗の背中をポンと叩いた。 「行っちゃうから電車に乗ろう」 秋吉も笑顔だった。 「はい!」 二人は小走りに電車に乗り込んだ。
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加