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「現世って?いったいここはどこなんですか?」
「直に分かります」
自分の質問は一言で返されてしまった。
でも、悪い人ではなさそうだと織姫は自然に感じた。
すると次の瞬間、強い風が織姫を包んだ。
「きゃっ」
「心配要りませんよ」
と言った女性の後ろに見えた大きな真っ白の羽を見て、織姫が心配以外の何を抱えると言うのだろうか?
「えっ、後ろ!?翼?て、天使!?」
「フフフ、背中を見てください。」
女性はテンパる織姫に促す。
「ひぇっ!」
織姫の背中には、女性のそれとは全然サイズが小さいが、それでもフワフワとした羽が生えていたのだ。
空腹をとうに忘れてしまうほどのサプライズに織姫はやっぱり困惑を隠せない。
しかし、それに構わず女性は織姫に言う。
「あなたの名前を聞いてもよろしいでしょうか?」
「え、はぁ・・・古川織姫・・です」
「うん。良い名前ですね織姫。私に付いてきて下さい」
ちょっと抜けた部分をもっている織姫でも、この女性に付いていくしか選択がないことくらいは分かった。
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