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織姫は彼女のクラスで輩出された唯一の正天使。織姫以外はみな準天使と呼ばれる階級に属している。
織姫が正天使になれたのは、先日の課題であるレポートが原因だ。『現世台』と言われる現世を覗くことができる場所から人間を観察してレポートにまとめる。
織姫が書いたレポートは、現世人の豊かな情緒を広く反映しており、様々な人の例を上げた分かりやすいレポートだった。
レポート課題一つで階級が上がるのか?と思うかもしれないが、この学校は実力主義の名のもとに成立しており、功績を挙げればすぐに昇格、不祥事が起こればすぐに降格と、実にシンプルな制度を掲げている。
それに加えていかに織姫のレポートが他と比べて素晴らしかったかが見てとれるだろう。
「ふぅ、やっと終わったぁ」
織姫は自分の翼を叩きながら校舎に戻っていた。
パトロールが済んだのだろう。結んでいた髪をほどいた姿はお疲れのように感じさせられる。
ゆっくりとした足取りで自分の教室に入り、椅子にドサッと腰を下ろした。
「疲れたぁ」
まだまだ修行が足りないなぁと思いながら織姫は遅めの昼食を取ることにした。
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