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織姫は自分で作った小さめのお弁当を啄(ついば)みながら教室を見渡す。
チラホラと織姫と同じようににご飯を食べている人が見えるが、教室にいない人数の方が多い。
それもそのはず、この学校が一般的な現世の学校と違うのは、みんな揃って授業や実習をしないことだ。
生徒1人1人ちょっとずつカリキュラムが異なっていて、クラス全員が合同で行うことはほとんどない。
「ニュワンくんはいないのかぁ」
織姫はそんな教室を見て独り言をポツリと言った。
ニュワンくんとは織姫の天界での友達第一号で、どうやら織姫が現世にいた頃の友達に似ているらしい。
だから仲良くなったというわけではないが、何かと話すことが多いのは彼、ニュワンとである。
織姫はつまらなそうな顔でさっさと昼食を取り終わると、午後のスケジュールに目を通した。
その瞬間、パァっと顔がニヤけ始める。
どうやらお気に召す授業があるらしい。
「ふふふ・・・・・」
可愛い顔をしているにもかかわらず、不気味な笑みを浮かべる織姫を見た教室の連中が、思わず身震いをしたのは頷ける話だ。
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