君と出会った春

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サァァァァ…… 春風が冷たく、淋しく吹いた。 桜の花がチラチラと舞っていく… 空へ…空へと…高く、そしてヒラヒラと落ちていく。 何かの始まりを示すかのように。 ある学校の門に看板が掲げられていた。 『◇◇◇高校入学式』 そう、今日は◇◇◇高校の入学式。 俺の名前は、咲山諒汰(サクヤマリョウタ)。 頭があまり良くないこの俺がこの高校に入れたのは中学の頃、陸上で好成績を残したから。 高校でも陸上を頑張ろうと決意して、入学したんだ。 出会いなんて期待してない。 幼い頃から女の子なんて興味がなかった。
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