第零章‐噂噺‐

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チャイムと共に迎える休み時間。 あっという間に固まる女生徒達。 其々が語り出すたわいもない話題に、笑うその表情はなんと無機質なのだろう。 「ねぇ、知ってる?」 突如、何かを思い出したかのように声を上げた女生徒に、周りにいた友達の視線が集まる。 女生徒は悪戯げに微笑むと、まるで唄うように流暢に語り出した。 ―最近いきなり恋人にフラレる人が増えてるらしいよ。 ―え?そんなの珍しいことでもないって? ―そうだよね。普通に出会いがあれば普通に別れがあるんだし… ―でもね、これは違うの。 ―これはね、彼女の…ゲームなんだって。 ―あのね、彼女達は絶対いつも四人同じ学校に来るの。 ―一人が主人で、あとの三人がサポート役みたいな感じで。 ―彼女は学校の男子のトップを決めて、自分の虜にしちゃうんだって。 ―その人に恋人がいてもお構いなしで略奪! ―なんか聞いた話じゃ、これは暇つぶしらしいよ。 ―誰のって?彼女のに決まってるじゃない! ―――彼女って誰か…って? ―――――それはね…? "不思議の国の住人"だよ
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