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季節的には秋なんだが、隣の家の爺さんがなんやら怪しい粉を撒き散らしたおかげで、家の回りの桜の木は美しく咲き誇っている
しかし、桜の木以外は葉の色を紅く染めてるか、枯れて散っている
季節感がないにもほどがある
そんな事を思いつつ、俺は婆さんのこしらえた、薄桃色の着物に、裃(かみしも)着て、縁側に立っていた
(見れば、見るほど気持ちの悪い景色だ…やっぱり四季ってのはごっちゃにするもんじゃないな…)
俺は、日の丸印の入ったハチマキを額に巻き、玄関へと向かった
「爺さん、婆さん、それじゃ行ってくるよ」
「まつんじゃ、桃太郎」
「なんだい、爺さん?」
爺さんは、おそらく棒状のものが入ってあろう袋と、日本一と書かれた旗を持ってきて言った
「これを持ってけ……」
「いや、遠慮しとく」
俺は旗を横目で見ながら言った。
その視線に気づいたのか、爺さんは笑いながら
「やはり、これはいやかのう…わしの若い頃のとっておきなんじゃがなぁ……まぁ、よい。じゃが、これは持ってけ、お前さんの役に立つだろう。」
そう言って、爺さんは袋を俺に押し付けた。
「!?」
「以外に、思いじゃろ?開けてみんさい」
俺は、袋をあけた、すると中からでて来たものは……
「これは……」
「わしが若い頃から使ってる相棒じゃ……」
袋の中からでて来たものは、およそ、120cmくらいの刀であった。
「桃太郎……あとは頼んだぞ……」
「あぁ、爺さん……まかせとけな、俺…この戦いが終わった芝刈り手伝うよ」
爺さんと、俺は固い握手を交わし、俺は颯爽と旅だった
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