Ⅰ【ロンリー・アンド・ロンリー】

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それはクリスマスイブの夜だった。 寒い、寒い、初雪の夜だった。 「あ~寒い・・・積もるんだろうな・・・」 昔からクリスマスは嫌いだった。 雪が降る中、毎年一人で過ごすクリスマス。 一人・・・そう、毎年一人だった・・・。 学校に友達なんていなかった。家にも帰りたくなかった。 毎年一人でこの古本屋に寄って、立ち読みしながら眠くなるまで時間を潰していた。 今年だって予定なんてない。 今日もいつもと同じように、気づくといつもの古本屋に来ていた。 「えっと・・・5巻から・・・だったっけ・・・」 高校に行ってた時も、高校中退してからも、通信制卒業して家を追い出されてからも・・・ 毎日のようにバイト上がりにここに来て、マンガを読んでいる。もう立ち読みが恥ずかしいなんて微塵も感じない。 ちなみに本を買ったことは一度もない。 今日も昨日の続きを手に取ると、いつも通り読み始めた。
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