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「ちょっとお客さん!保護者の方は!」
遅れて店員も来る。
え、このチビっちいのが18禁を?
いやいや、その発想はおかしいな
「あ、お兄ちゃん!」
・・・・・・ん?
女の子は俺を指差している。
・・・あ、俺?
「あ、お客さんの妹さん?」
「え・・・。あぁ」
ちょっと待てよ、どういうこと?
「困りますよ、もう何時だと思ってるんですか。
はやく家に返してあげてください。」
「は・・・、はぁ・・・」
・・・・・・なんで俺が起こられてんの?
「ほ、ほら!行こ!お兄ちゃん!」
「え?・・・、おぅ」
俺は少女に手を引かれ店を後にする。
自動ドアをくぐると、冬の寒さが一気に服の中に流れ込んで来る。
あぁ寒い・・・まだ雪降ってるんだ・・・。
きっと明日店の雪かきとかさせられるんだろうな・・・
・・・・・・でだ。
「お前、誰だよ」
「えっと・・・、あのぉ・・・」
本屋の前の歩道にまで出てやっとこの質問が出てきた。
俺の胸ほどの身長しかない子どもが、似つかわしくない夜中の人通りの少ない道で、オレンジ色の街灯に照らされながら不安げな顔をして立っている。
明らかに俺の知る顔じゃない。
口から漏れる息は白く、絶え間なく降ってくる雪が目に入るのだろうか、大きな目を盛んに瞬きさせている姿が妙に幼い。
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