6人が本棚に入れています
本棚に追加
赤い空は今の俺の心と同じ色だ……。
窓の外を眺めて物思いに耽るが、現実を変えるだけの力は持っていなかった。
風に吹かれて飛んでいく一枚の紙。
ふわりと舞って、床へと落ちていく。
それを拾い上げて俺の元へと持ってきて、微笑んでいるこいつは、あの時言った約束は守っている。だけど、これを俺にどうしろと言うんだよ。
目の前で微笑む顔は、満足げで嬉しそうだ。
だが、反対に俺の気分は最高潮に恥ずかしい。渡された紙をもう一度見るが、ドキドキして上手く見れない。
どうしてあのとき、俺はオッケーしてしまったのだろうか。その事を今頃になって失敗だったと気付いていた。
……はあ。
一人ごねても仕方ない。
俺の悩み。
こうなった事の発端は、五日前に遡るのだった――。
最初のコメントを投稿しよう!