文化祭までもう少し。

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「それでは、どうするんですか?」 「デザインが上がるまで待つしかないだろうな。今は何にもできないって事だ」  ため息混じりに言って、立ち上がり背伸びをすると、とても小気味良い音がなっている。  同じ格好をずっとしていた訳だから、身体もこるというものだ。俺、歳なのかな……。 「それは困りましたわね。そうだ――それでは、こうしましょう」 「なんだよ……」  何を閃いたのか、俺を見て微笑んでいる凛は楽しそうだ。一体、今度は何を思いついたんだよ。  頼むから、変な事言うなよ? 俺にまで迷惑がかかってくるんだからな。これ以上、変なのはごめんだ。 「私達でデザインを決めましょう。それなら、問題ないでしょう」 「は……?」  至極まじめに、さも当然のように言い放つ奴だな。人差し指立てて、笑顔で言わなくてもいいだろう。  それは俺も考えた事があるが、それでは今デザインを考えている奴の立場ってものがない。 「それじゃ、あいつはどうするんだよ。必死に考えてるはずだぞ?」 「私から言っておきますので、それでいいでしょう?」  有無を言わせず即決で決めてしまっている凛に、首を立て以外に振れなかった。 「それで、何かいい案はあるのか?」 「はい。私にとても素敵な案があります。どんな鈍感な人でも気付いてくれますよ」  俺を見て頬を薄く赤らめている凛は、力いっぱい頷いていた。  言っている意味も行動も分からないが、相当な自信がありそうだ。しかし、なんて我がままお嬢様だよ。  ……まぁ、ズレたのが出来上がらない事を、祈るだけだな。  俺もいい加減、看板を仕上げて遊びに行きたい。ここ数日ずっと遊びにも行けず悶々としていたからな。  それに、このままデザイン画を待っていても、終わりそうにない。  逆に間に合わなかったら、クラス中から非難の嵐をくらうのは俺――それだけは避けたいので凛の提案に怖いが渋々、了解する事にした。
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